こんにちはー。くまぽろです。
有段までの道のり、第41話です。
このシリーズを更新するのがひさしぶりになってしまい、すみません。。
これまではあまり
ヨセや形勢判断などの話をしたことがなかったので、
ちょっとそっち方面を
これから書いていこうかなと思ってます。
今回は、目算のしかた入門です〜。
目算とは
目算(もくさん)とは、
対局の途中の段階で、黒白それぞれの地を数えることです。
もちろん対局中なので、頭の中でやらないといけませんね。
何のためにやるかというと、現在の形勢を判断するためです。
現在の状況を知って、
「勝つためには次の手をどう打ったらいいか」
を決めるために目算をします。
目算をした結果、
- 勝っている → ミスなく勝ち切ろう
- 良い勝負 → まだまだこれから
- 負けている → このままではだめなので、勝負手を考えよう
というように、特に負けている状態ならそれに気づき、
次の手の考え方を切り替えるためにやっている感じです。
プロはおそらくみんな目算していると思われますが、
アマチュアでは、高段者でも
「目算はそんなしてない」という人もわりといます。
特に高段者以上になると、石の形の効率の良さや
相場と考えられる形と比べて現状どうなっているか、
などで形勢判断をしている場合も多いです。
「序盤に右下で黒がポイントを上げたけど、
その後左辺ではちょっと白にやられたので、たぶん良い勝負かな」
といった感じですね。
なので、目算は絶対しなきゃだめ、というわけでは全然ありません。
ただ、どんな方法であれ、形勢判断はしたほうが良いです。
特に級の方などは、地をざっくりでも実際に数えないと
形勢がよくわからないまま打ってしまう、
という場合が多いと思います。
今回は、そのための簡単な目算入門をしていきましょ〜。
かんたん目算入門
まず、目算をするタイミングは、
- 中盤でどこかの部分的な攻防が一段落したとき
- ヨセに入る直前
などにするのが基本です。
そして、数え方は特に難しいことはありません。
お互いの地の境界線を
そのまままっすぐ端まで下ろして考えます。
そうやって各陣地を数えて足し算し、
白と黒どっちがどれくらい勝ってるかな?と比べるだけです。
ざっくりな数え方にはなりますが、
「たぶん同じくらい」「黒が20目くらい多い」など
10目単位くらいではわかるので、
十分、形勢判断の目安になります。
では、実際に盤面を見てやってみましょ〜。
実際やってみよう
例として以下の盤面で考えていきます。
くまぽろの実戦譜。黒番です。
いま48手まで進んだところです。
左下の攻防が一段落したかなというとこなので、
このタイミングで目算してみます。
先ほど言ったように、
お互いの地の境界線をそのまままっすぐ端まで下ろしてみます。
一番わかりやすいところだと下辺ですね。
こんなふうに、境界線の石があるところで
黒白お互いにサガリを打ったとしてイメージします。
しかし、まだあまり石が接触していない部分も
たくさんありますね。
例えば左辺なんかだと、
黒がこうやって左上にツメる可能性もあるし、
逆に白からヒラカれる可能性もありますね。
もちろん黒白お互いに
より厳しい手も考えられるかもしれません。
こういうまだ決まってないところは、
とりあえずどちらの陣地でもないと仮定します。
例えば隅や辺だけ見ても
決まってないところ(赤丸)は他にもいっぱいありますが、
その辺りもとりあえずどっちのものでもないとすると
ざっくりこんなふうに見ることができます。
大体のところは、まっすぐに線を端まで下ろしただけです。
上辺の黒地の左側の部分はスソ空きなので、
ふんわり少なく見積もってみてます。
数えると大体こんな感じです。
足してみると
黒が48くらい、白が58くらい、となるので
盤面で10目くらい白が良いことになりますね。
実際にはコミもあるので、
盤面で5〜10目くらい黒が多い状態で
ちょうど良い勝負です。
なので、この場合は
「まずい。たぶん20目くらい白が良さそう(:3_ヽ)_」
という判断になります。笑
いまはこうやって図に書いているし、
やること自体は簡単なんですが、
頭の中でやるのはわりと一苦労です。
一箇所ずつ数えていくことになるんですけど、
他のとこ数えてる間に
「前数えたとこいくつだっけ?」
ってなっちゃうんですよね。笑
でも、この目算である程度の形勢がわかれば
「このまま穏やかに打っていったら負けてしまうから、
チャンスが生まれるような
ちょっとがんばった手や難しい手を打たないと!」
と次の手の方針を変えることができます。
まったく形勢がわかってない場合とでは
打つ手が変わってくるわけです。
より正確な目算をするためには
より正確に目算をしようと思うと
少しずつ複雑になっていきますが、
基本的には自分の棋力の向上に応じて
自然と目算の精度が上がっていくと思います。
上記の目算のやり方に、
以下のような要素を組み込むことで
少しずつブラッシュアップしていくことができます。
- 後にどんな手があるか(自分が見えてる手の範囲での計算になる)
- ヨセで、どちらがそこに回れそうか
- そのヨセの結果、最終的に陣地の境界線がどうなるか
- 駄目がつまったら、一手入れなきゃいけない、なども考慮する
つまり、棋力が上がれば
ヨセでどうなりそうか、後にこんな手がある、など
後の形を想像しやすくなっていくんですね。
しかし、プロ棋士の解説会などで
ヨセの途中で目算したりしていますが、
「1目半黒勝ちですね」とか
正確に計算できるのはいまだに信じられませんけど。笑
まとめ
今回のまとめです。
- 目算とは、対局の途中に頭の中で黒白それぞれの地を数えること
- 目算入門としては、境界線をまっすぐに下ろし、陣地を数える。まだ境界線が曖昧なところは数えない
- 優勢か劣勢か判断して、それを元に次の手を考える
級位者の方は、けっこう食わず嫌いで
「なんとなく難しそう」と思っていて、
目算をしたことがない人も多いのではないでしょうか?
この機会にぜひ、次の対局で目算にチャレンジしてみてくださいね〜。
ではでは、今日はこのへんで。