【有段までの道のり 32】コウの考え方2:二通りの盤面を比べてみよう

こんにちはー。くまぽろです。

有段までの道のり、第32話です。
 
 
前回に続いてコウのお話。

今回は具体的な盤面を見ながら、
コウを続けたとき・解消したときの両方を比べてみることで
価値の大きさを体感してもらいます〜。

※以前のこの記事は、間違った部分があったので
全面的に書き直しました(2019/4/5修正)。

-> 第1話から読む
-> 前回のお話
 
 

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コウは価値を比べること

前回、コウで取ったり取り返したりしているのは
何を考えてやっているか、という話をしましたね。
 
 
コウの価値と
他のところで打ったコウ材の価値を比べて、

「これはコウ材のほうが大きいから受けよう
「これはコウのほうが価値が大きいから、解消しよう

というやりとりをしている、と説明しました。
 
 
もう少し高度な話をすると、
価値の大きさだけではなくて
そのコウに見合うコウ材がいくつあるかで
判断が変わる場合もあるのですが、

突っ込んだ話をするとわたしもわからなくなるので、
やめておきます。笑
 
 
今回は、実際に具体的な盤面を見て
コウとコウ材とどっちのほうが大きそうかな〜と
考えていきましょ〜。
 
 

具体例

例えば、13路盤で
現在こんな盤面になっているとします。
 
 

 
 
次は白番です。

いま左下でちょっと事件が起こっています。
左下の黒は生きているかどうか、わかりますか?

左下はいまコウになっていますね。

このコウでもし白が勝った場合は、
この左下の黒は全部死んでしまいます。

白が勝った図

逆にコウに黒が勝つと、
黒は生きることができます。

黒が勝った図
 
 
白が勝てば左下は全部黒が取られて白地に、
逆に黒が勝てば生きられるので、小さな黒地になります。

なので、なかなか大きなコウですね。

※盤面がほぼ終局に近いのに左下の大きいコウが残っていて
違和感を感じると思いますが、
説明をなるべくわかりやすくするために敢えてやってます。
ご了承ください〜。

 
 
では実戦、白がコウを取ったあとに、黒がコウ材として
「右上の1子を取るぞ〜」という手を打ってきたとしましょう。


 
 
うーん、白はコウを解消してしまうべきか
それともコウ材に受けるべきか、悩みますね。

では、ここから2通りのケースを考えてみます。

1. コウを解消して、終局まで打ってみる
2. コウ材を受けて、終局まで打ってみる

どちらにしても終局間近なので、
最後までやってみて地の数を数えてみましょ〜。

あなたは、どちらが大きいと思いますか?
 
 

コウを解消した場合

では、まずをコウを解消するケースから行きます。

白がコウを解消したら、
黒はコウ材のところを続けて打ちますね。

白がオサエて、黒が抜き、

終局まで打つと、こうなります。

最後に△のダメのところだけ埋めて、


 
 
これで数えられる状態になりました。

いま、黒白どちらもアゲハマは1つずつなので、
純粋に盤面の陣地だけ数えれば勝負がわかります。

画面上だと整地ができないので数えにくいですが、笑
数えてみると

黒:59目
白:59目
です。

コミがないとすると、
ちょうど持碁(じご)=引き分けになりました
 
 

コウ材に受けた場合

では、2つめのケース、
白がコウ材に受けたパターンをやってみましょう。

白が受けたら、黒はコウを取り返しますね。

そして、次に白はコウ材がなさそうなのですが、
二手連打して相手の被害が大きそうなところを打ちたいので
右上のハネを打ちました。

黒も次は見合うコウ材がなさそうなので、
コウを解消するのが一番大きいと考え、4とツギました。

白はしかたないので、右上を連打して、
その後も最善にヨセていったとします。

これで終局なので、最後に△のダメを埋めて、

これで数えられますね。

この場合もアゲハマは黒白どちらも1つずつです。
なので、純粋に盤面の陣地だけ数えればOKです。

数えてみると、
黒:50目
白:50目

なんと、この場合でも持碁でした
 
 

二手連打できるところを考える

どうでしょう?予想は当たりましたか?

「どっちも同じだなんて、反則だー!」
と思ったかもしれませんね。笑
 
 
以前、この記事では、価値の大きさを比較しようと
「コウの価値が何目か」などを計算したほうが
具体的でわかりやすいかな〜、とやってみていました。

でも、それがすごく難しかったし、
わたし自身まちがえていたので

「いや、これ有段になるまでに必要な知識としていらないわ。笑」
と気づいて、
全面的に書き直しました。
 
 
きっちり何目なのか考えるのは、

ヨセの知識や事後にどんな手があるかなど
かなり広範な知識と経験を求められるので、
有段者にとっても難易度が高いです。

場合によっては、
プロでも判断が難しいようなケースさえあります。
 
 
なので、級のうちはわからなくて当たり前です。
大きさの判断はふんわりでいいので、

コウになったときは
二手連打したら相手の被害が大きそうなところを探す

というのを意識してみてください。

二手連打したら、
相手の石が死ぬ
相手の陣地を切り裂いて侵入できる(なかなか止まらない)
陣地の増減が大きそう

こういうポイントを探します。
それがコウ材になります。

(コウの大きさが尋常でない場合は、
無視されることもありますが…)
 
 
それから、前回も言ったように、
コウになって最初に自分がコウを取れる状況だったら取る

これも大事です。

コウだ、どうしよう、わからない〜となっても
とりあえず一回取っておきましょう。
 
 

まとめ

コウで覚えておきたいのは、2つ

・最初に自分がコウを取れる状況なら取る!
・二手連打したら被害が大きそうなところを探す!

とりあえずこの2つだけを意識してみましょ〜。

コウはとっても難しいですが、
それが囲碁に奥深い魅力を与えていることも
強くなるにつれ、少しずつ見えてきます。

わからないけど、だからこそおもしろい。
囲碁ってそういうゲームですよね。
 
 
ではでは、今日はこのへんで。