【有段までの道のり 22】どの辺の価値が高いかを考える

こんにちはー。くまぽろです。

有段までの道のり、第22話です。
 
 
最近、序中盤の考え方について書いていて
ふと気づきました。

「序盤で状況によって、
どの辺の価値が高いかが変わるっていう話を
今までしていない!」
と。笑

なので今回はさっそく
そのお話をしていきたいと思います。

-> 第1話から読む
-> 前回のお話
 
 

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どの辺の価値が高いか

このお話も、わたしが最初に習ったのは
10級くらいのころだったと思います。
 
 
通っていた囲碁カフェの教室の先生が
とても序盤の戦略を考えるのが得意な人で、

その先生に習ったからか、
いつも定先で教えてもらっていたからか、
(置石なしなので、序盤の練習がきちんとできる)

わたしは三段くらいになった今でも
序盤が一番得意です。
 
 
その序盤の考え方においても特に重要なのが、
辺の価値の高さが状況によって変わる
ということだと思います。

では具体的に、
どんな場合に価値の大小が変わるのかを見ていきましょ〜。
 
 

シマリの背中は価値が高い

まず、1つめは
「シマリの背中は価値が高い」です。

「シマリ」とは隅のシマリのことです。

具体的にどんな盤面か見てみましょう。
 
 

右上で黒が小目からシマッた状態になっていますね。
この場合は、右辺の価値が高くなります

なぜかというと、シマリがきたことで
右辺は立体的に大きな地になる可能性が
高く
なっているからです。

なので、この次の白の手番では
右辺の価値が高いことを意識して

右辺、または右下方面に打って
黒が立体的に大きくならないように対策する
手を打つことが非常に多くなります。

だいたい図のような三択になると思います。
 
 
もちろんこれは
小目からのケイマジマリだけに限らず、

シマり方が大ゲイマでも
一間でも二間でもいっしょで、
立体的にふくらむ方の辺の価値が高くなります。

また、星からのシマリでもやはり同じ考え方ですね。
 
 
ちなみに、シマリによって立体的に広がるほうを
なぜ「シマリの背中」と呼ぶのかは謎です。笑
 
 

シマリの切先は価値が低い

2つめは、さっきとは逆の話で、
シマリの切先は価値が低い」です。

4線から3線に下りる形を指して
切先(きっさき)」と言います。

刀のイメージですね。
 
 
この切先側は、さっきの背中側とは反対に
立体的にふくらまない形になっていますよね。

なので、シマリの切先側は
背中側などと比べて価値が低くなります。


 
 

安定した石のそばは価値が低い

3つめは、
安定した石のそばは価値が低い」です。

実は2つめの「シマリの切先は価値が低い」も
広い意味でここに含まれます。

具体的な図を見てみましょ〜。
 
 

このように左上で一番基本の定石を打ったとします。

このとき、左上の黒白両方の石は
どちらもある程度安定した石になっています。

(まわりに相手の石が増えてきたときには
きちんと安定しているとまでは言えませんが、
現状では周りがスカスカなので安定していると考えます)

なので、現状では
上辺と左辺は安定した石のそばなので
価値が低い
状態になっています。
 
 

 
 
安定した石のそばは、シマリの切先と同じで
発展性にとぼしいところになります。

シマリの背中側のような
陣地も夢も大きくふくらむような形に
なっていない、ということですね。

このそばに打つよりも
新しく他の隅にカカるなどするほうが、
新規開拓ができて価値が高いということになります。
 
 

どちらからカカるか、どの定石を選ぶか

このように辺の価値を考えることで、

「カカリを打つときにどちらからカカるべきか?」
「カカラれたときにどの定石を選ぶべきか?」

などが変わってくることになります。
 
 
例えばさっきの左上の定石が済んだ後の盤面で、
白が次に「新しく隅の黒にカカろう」と思ったら

右上にカカる場合は
基本的に右辺側からカカる、という発想になります。

なぜかというと、

・まず単純に広さが右辺のほうが広い
上辺にはすでに安定した石があって価値が低い、発展性が低い

と考えられるからです。
 
 

 
 
そうすると白にカカラれた黒も
上辺側を取りたくないので

「受けるのではなくハサミを打とうかな?」
と考えたくなりますね。

もし受ける場合でも、
上辺がふっくらするように
一間で高く受けることを考えます。


 
 
ケイマで受けてしまうと
上辺で自分の石の切先同士が向き合うことになり、
とても発展性が低い(大きい陣地ができない)
状態になってしまいます。


 
 
ちなみに右下にカカる場合は、
右辺側からも下辺側からもどちらもアリです。

この場合はどちらも同じ広さが空いていて、
シマリや安定した石もなく、
価値として等しいと考えられるからです。

どちらからカカるかは好みや気分になりますね。
 
 
下辺側からカカると
ざっくり右上が黒の勢力圏、左下が白の勢力圏という
模様の碁になりやすくなります。

逆に、右辺側からカカると
盤面を細分化する碁になりやすくなりそうです。


 
 

まとめ

辺の価値についてのまとめです。

1. シマリの背中は価値が高い
2. シマリの切先は価値が低い
3. 安定した石のそばは価値が低い

価値の高さを考えて、カカる方向や定石を選ぶのが大事!

これで序盤の戦略も
少し考えやすくなったのではないでしょうか?

ぜひぜひ実戦で試してみてくださいね〜。
 
 
次回は、「よく出る基本死活は覚えちゃおう」というお話です。

ではでは、また。

【有段までの道のり 23】基本死活を覚えると良いことしかない