【有段までの道のり 30】肩ツキを覚えて、相場という概念を知る2

こんにちはー。くまぽろです。

有段までの道のり、第30話です。
 
 
前回から、タイトルには
相場(そうば)」という言葉が出てきてましたが、
まだお話できていませんでしたね。

肩ツキという手から知った
「相手にも陣地をあげる」という感覚は、

実は囲碁において重要な「相場」の考え方と
深くリンクしています。

今日は、この「相場」について掘り下げていきましょ〜。

-> 第1話から読む
-> 前回のお話
 
 

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相場とは

相場(そうば)というと、
株式相場や為替相場などの言葉がパッと思い浮かびますが、

そこから派生して
「一般的に、これくらいの値段が相場だろう」
なんて使い方もしますね。

囲碁において言う相場も、この後者の意味合いで使います。
 
 
囲碁では、
相場 = 妥当なワカレ
という意味です。

ワカレというのは、部分的に一段落した形のこと。

定石を打ち終わったあとの状態や、
接近戦が落ち着いたときなどのことですね。

「これは互角のワカレ」
「これは黒に有利なワカレ」というふうに使います。
 
 
注意してほしいのは、
相場 =互角のワカレではない
ということです。

部分的に黒白どちらかが一手手抜いたりしている場合は、
明らかにそこは互角にはなりませんよね。
 
 
対局の解説者が
「まぁ白は一手手抜いているので、これくらいが相場ですね」
と言った場合は、

「その部分は黒有利だけど、
白もそれを覚悟して手抜いたわけなので、分相応だろう」
という意味になります。
 
 
わたしは、肩ツキという手で
「陣地をあげてもいい」という考え方を知ったことで、

「どれくらいなら相手にあげていいのか」
つまり、「どれくらいが相場なのか」という考え方が
囲碁というゲームにおいて
実はすごく大事なんじゃないか
と気づき始めました。

黒白交互に打つので、どちらも最良の手を打っていったら
どっちかが一方的に得はできない、

というごく当たり前なことが
やっと身にしみてわかるようになったと言うか…。
 
 
当時、囲碁の深さとその先のおもしろさが
なんとなく垣間見えたような気がしたのを
今でも覚えているんですよね〜。
 
 

相場を知る=基準を作ること

初級者のうちは
「どれくらいなら相場なのか」なんて
みんなわかりません。

なぜなら、経験値が少なく、
基準になる形を知らないから
です。
 
 
自分としては
「陣地いっぱい稼げたんじゃない?」と思っても、

強い人から見たら
「これは相手の中央の勢力のほうが立派だから損してるよ」
なんて言われちゃったりします。

でもそうやって実戦でいろいろなケースを見ていくことによって、
少しずつ経験が積み重なり、
級が上がるにつれて相場の感覚が身についていくんです。
 
 
相場を知るための一番良い勉強は、
定石を覚えること
です。

定石の勉強の効能は
部分的にお互いに最良の打ち方がわかる、
というだけではありません。

結果的にできあがった形を相場としてインプットしておけば、
相手が変化して打ってきたときも
覚えている基準の形と比べることで
相場よりいいのかどうかの判断がつくようになります。

定石は相場の宝庫と言えると思います〜。
 
 

相場を知ると、形勢判断ができる

囲碁というゲームの特徴の1つに、
形勢判断がかなりむずかしい、ということが挙げられます。

いま優勢なのかどうかの判断がむずかしいなんて、
ふしぎなゲームですよね。

陣地がほぼほぼ確定してくれば数えられるのですが、
まだ盤面で空いているところが広いと
どっちが優勢なのか全然わからない、という級位者のかたは
かなり多いと思います。

そんなときにも相場の概念は活きてくるんです。
 
 
これくらいが相場だとわかる、ということは
相場から外れているときは自分のほうが良いのかどうかわかる

ということです。

なので、陣地だけを単純に比べられないような対局のときも、
相場だと思われる形を基準にして
形勢判断ができます

 
 
「下辺では相場より黒が良さそう、
それ以外のところはだいたい妥当なワカレな気がする…」

となったら、じゃあ少し黒が良いのかなと判断できますよね。

つまり部分的にどちらがポイントを上げたか
足していって総合判断する感じです。

格闘技などで、技が決まったときのポイントの合計で
勝負が決まる場合を想像すると
イメージがつくのではと思います〜。
 
 

まとめ

相場 = 妥当なワカレ
(ワカレとは、部分的に一段落した形のこと)
・相場を知って、判断基準を作っていく。
定石は、相場の宝庫。
・相場を知ると、形勢判断に役立つ。

以上、今日のまとめでした〜。
 
 
なんだか今回の話、書くのがとてもむずかしかったです…。
ふわっとした抽象的な話に
なってしまったかもしれません。

よりわかりやすい説明が見つかったら、
またこのテーマについて書いてみたいと思います。

ではでは、今日はこのへんで。