こんにちはー。くまぽろです。
井山さんと山下さんが争う棋聖戦も
ついに第7局。
最終局にふさわしい劇的な展開となりました!
棋譜に解説コメント付きです。
棋聖戦最終局
第6局にひきつづき、
棋聖戦についてお届けしていきます〜。
お互いに3勝ずつして迎えた第7局が
3/14、15に行われました。
井山さんが防衛するのか、
山下さんがタイトル奪取するのか、
わくわくする展開になりましたね〜。
では、さっそく棋譜を見ていきましょー!
棋譜
黒:山下敬吾九段
白:井山裕太棋聖
持ち時間は8時間(2日制)。残り10分から秒読みに入ります。
棋譜には、プロ棋士の解説等を元にコメントをつけています。
壮絶な展開の末に、白・井山裕太棋聖のの6目半勝ちとなりました!
Leelaを見ながら感想
今回は右辺の白が
「え、これ生きないんじゃないの?」となってからは
さすがにみんな
白もうだめなのではと思ったのではないでしょうか?
わたしももちろんそう思っちゃいました。
だって、白生きないとなった時点では、
外側の黒もそこまで危ない形には思えなくて、
スペースたくさん空いてましたもんね。
それが最終的に上の黒も下の黒も生きてなくて
攻めどりさせれば白が良いなんて・・・。
井山さんは右辺の下半分を捨てなかったときから、
死んでもそれを利用して打てると
ずっと思ってたのでしょうか?
すごすぎて意味わからないよ、井山さん…(:3_ヽ)_
で、今回もLeela zeroで検討してみました。
(※今までよりはちょっと思考回数増やしています。
PCのスペック的にこれ以上は無理そうだけど…)
まずは序盤白が右辺にワリウチしてきたとこ。
※手を示す丸の中の、上の数字が勝率(%)、下が読んだパターン数です。
強い人もLeelaも第1感はケイマなんですね〜。
全然そこに目が行かなかったです。
そのあとの厚み側からのツメは
Leelaの候補に出てこなかったです。
(黒が実戦では右上の厚みから二間にツメたシーン)
実際そのあとやや白持ちになりはじめます。
そして、右下からの戦いがはじまり、
そのあいだはまだ全然良い勝負なのですが、
ここ↓になると、すでに白良しと言っている…!
さかのぼって見てみると、
実戦黒はタケフの形にブツカッたんですが、
それが悪いと見ていますね。
水色の外からハネた変化図を見てると、
先に白に下辺でおさまられても
右辺の攻めにまわればまだまだこれから、
と考えてるようです。
左下がコウになったあとは、
解説でも少しふれたように
白は抜いたほうが良いと言ってますね。
(あと、このタイミングで右のマガリも推している)
そして、そのあとで黒が白に抜かせるシーンでも
かなり評価値が傾きました。
この少し前からずっと
黒は愚形にツナグのもありだと見ているんですよね。
白に1子抜かせちゃうと白が強くなって、
下辺の黒2子がまるっと飲み込まれるのが不満、
ということなのかなと。
そんなこんなで黒が右辺の攻めにまわる段階で
白の勝率83%くらいまでいってますね。
やっぱり右辺は生きてよかったんじゃないかなぁ。
白がつけたシーンで完全に五分に。
さすがにこの時点↓では黒持ちになりました。
でも意外とそんなにパーセント高くないんですよね。
そして、わたしには一番わからなかったのが、ここ。
黒が中央の黒枠の丸のとこにノビたシーンなんですが、
「下の2子抜いとけ」と言ってます。
ここでノビないとかあるの…?全然わからない。笑
たしかに下の2子とらずに、
実戦のように白に1子とられると
中央右下寄りの黒も不安要素にはなるんですが…。
なんとここからもう白持ちだと言ってます、Leelaさん。
このあともまだまだ難しいのですが、Leela的には
中央の黒が一間にトンだときに
実戦は上の赤丸のトビだったんですが、
「下のトビだ!」っていう主張をしてます。
最終的な決め手は
やっぱり右下を黒が手抜いてコウになったところですね。
ここでもう白が優勢を築きました。
あんなに大きな石が取られても
その外に傷が残るのをうまく突いていけば、
全然勝負になるんですね。
こんなすごい碁はもちろん打てないけれど、
考え方としてはとても勉強になりました。
井山さんも山下さんも、
本当におもしろい対局を見せてくれて
ありがとうございました!
井山さん、7連覇おめでとうございます!!
他のタイトル戦もあるよ
書いて思いましたが、
7連覇ってすごすぎますね。笑
棋聖戦は、井山さんの勝利で幕を閉じましたが、
女流名人戦や十段戦などはまだ続いています。
そちらも楽しんでいきましょ〜。
ではでは、今日はこのへんで。