第43期棋聖戦 挑戦手合第7局井山裕太棋聖 vs 山下敬吾九段

こんにちはー。くまぽろです。

井山さんと山下さんが争う棋聖戦も
ついに第7局。

最終局にふさわしい劇的な展開となりました!
棋譜に解説コメント付きです。
 
 

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棋聖戦最終局

第6局にひきつづき、
棋聖戦についてお届けしていきます〜。
 
 
お互いに3勝ずつして迎えた第7局
3/14、15に行われました。

井山さんが防衛するのか、
山下さんがタイトル奪取するのか、
わくわくする展開になりましたね〜。

では、さっそく棋譜を見ていきましょー!
 
 

棋譜

黒:山下敬吾九段
白:井山裕太棋聖

持ち時間は8時間(2日制)。残り10分から秒読みに入ります。

棋譜には、プロ棋士の解説等を元にコメントをつけています。
 
 

 

 

壮絶な展開の末に、白・井山裕太棋聖のの6目半勝ちとなりました!
 
 

Leelaを見ながら感想

今回は右辺の白が
「え、これ生きないんじゃないの?」となってからは
さすがにみんな
白もうだめなのではと思ったのではないでしょうか?

わたしももちろんそう思っちゃいました。

だって、白生きないとなった時点では、
外側の黒もそこまで危ない形には思えなくて
スペースたくさん空いてましたもんね。

それが最終的に上の黒も下の黒も生きてなくて
攻めどりさせれば白が良い
なんて・・・。

井山さんは右辺の下半分を捨てなかったときから、
死んでもそれを利用して打てると
ずっと思ってたのでしょうか?

すごすぎて意味わからないよ、井山さん…(:3_ヽ)_
 
 
で、今回もLeela zeroで検討してみました。

(※今までよりはちょっと思考回数増やしています。
PCのスペック的にこれ以上は無理そうだけど…)

まずは序盤白が右辺にワリウチしてきたとこ。


※手を示す丸の中の、上の数字が勝率(%)、下が読んだパターン数です。

強い人もLeelaも第1感はケイマなんですね〜。
全然そこに目が行かなかったです。

そのあとの厚み側からのツメは
Leelaの候補に出てこなかったです。


(黒が実戦では右上の厚みから二間にツメたシーン)

実際そのあとやや白持ちになりはじめます。


 
 
そして、右下からの戦いがはじまり、
そのあいだはまだ全然良い勝負なのですが、
ここ↓になると、すでに白良しと言っている…!

さかのぼって見てみると、

実戦黒はタケフの形にブツカッたんですが、
それが悪いと見ていますね。

水色の外からハネた変化図を見てると、
先に白に下辺でおさまられても
右辺の攻めにまわればまだまだこれから、
と考えてるようです。
 
 
左下がコウになったあとは、
解説でも少しふれたように
白は抜いたほうが良いと言ってますね。

(あと、このタイミングで右のマガリも推している)

そして、そのあとで黒が白に抜かせるシーンでも

かなり評価値が傾きました。

この少し前からずっと
黒は愚形にツナグのもありだと見ているんですよね。

白に1子抜かせちゃうと白が強くなって、
下辺の黒2子がまるっと飲み込まれるのが不満、
ということなのかなと。
 
 
そんなこんなで黒が右辺の攻めにまわる段階で
白の勝率83%くらいまでいってますね。


 
 
やっぱり右辺は生きてよかったんじゃないかなぁ。

白がつけたシーンで完全に五分に。

さすがにこの時点↓では黒持ちになりました。

でも意外とそんなにパーセント高くないんですよね。
 
 
そして、わたしには一番わからなかったのが、ここ。

黒が中央の黒枠の丸のとこにノビたシーンなんですが、
「下の2子抜いとけ」と言ってます。

ここでノビないとかあるの…?全然わからない。笑

たしかに下の2子とらずに、
実戦のように白に1子とられると
中央右下寄りの黒も不安要素にはなるんですが…。

なんとここからもう白持ちだと言ってます、Leelaさん。
 
 
このあともまだまだ難しいのですが、Leela的には
中央の黒が一間にトンだときに

実戦は上の赤丸のトビだったんですが、
「下のトビだ!」っていう主張をしてます。

最終的な決め手は
やっぱり右下を黒が手抜いてコウになったところですね。
ここでもう白が優勢を築きました。
 
 
あんなに大きな石が取られても
その外に傷が残るのをうまく突いていけば、
全然勝負になる
んですね。

こんなすごい碁はもちろん打てないけれど、
考え方としてはとても勉強になりました。
 
 
井山さんも山下さんも、
本当におもしろい対局を見せてくれて
ありがとうございました!

井山さん、7連覇おめでとうございます!!
 
 

他のタイトル戦もあるよ

書いて思いましたが、
7連覇ってすごすぎますね。笑

棋聖戦は、井山さんの勝利で幕を閉じましたが、
女流名人戦十段戦などはまだ続いています。

そちらも楽しんでいきましょ〜。
 
 
ではでは、今日はこのへんで。