こんにちはー。くまぽろです。
なんだかタイトル戦の棋譜解説を
ひさしぶりにやりだしたら楽しくなってきたので、
この勢いで棋聖戦も書いちゃうことにしました。
第6局めからになりますが、よろしければお付き合いください〜。
棋聖戦第6局
はい、そんなこんなで
今日もタイトル戦の棋譜を見ていきたいと思います〜。
十段戦第1局、女流名人戦第1局に続き、
3/7(木)〜8(金)には神奈川県箱根町のホテル花月園にて
棋聖戦の第6局めが行われました。
井山さんは、1日空けてのタイトル戦つづき。
めっちゃ忙しいですね…
タイトル戦の記事はけっこう時間がかかるので、
これまでの棋聖戦5局については
ちょっと書くことができていませんでした。
簡単におさらいすると、
現在の棋聖タイトル保持者は
五冠を保持する井山裕太(いやま ゆうた)棋聖、
そして今回の挑戦者は
平成四天王の一人、山下敬吾(やました けいご)九段です。
井山さんはもう誰もが認める日本の最強棋士ですが、
山下さんもタイトル獲得通算14期と
タイトル戦常連のようなトップ棋士です。
お二人とも戦い好きな棋風なので、
バッチバチの戦闘の碁にいつもなってますね。笑
ここまでは井山さんの3勝2敗なので、山下さんのカド番です。
では、第6局めの棋譜を見ていきましょ〜。
棋譜
黒:井山裕太棋聖
白:山下敬吾九段
持ち時間は8時間(2日制)。残り10分から秒読みに入ります。
棋譜には、プロ棋士の解説や
囲碁AI・Leela zeroでの検討を元にコメントをつけています。
250手をもちまして、白・山下敬吾九段の中押し勝ちとなりました。
Leelaを見ながら感想
いやー、1日目が終わった状態の盤面を見たときは
白が勝てるとは正直思えませんでしたが、
山下さんさすがですね〜。
序盤で右下の大ゲイマへツケた白の一手は
たぶんちょっと無理なしかけだったんじゃないかなと。
コウのツギになった時点で
Leela zeroでも黒持ちになりはじめました。
※手を示す丸の中の、上の数字が勝率(%)、下が読んだパターン数です。
上の図だと次が白番なので、
水色のところに打ったとして
白の勝率が47.6%と表示されています。
もともとLeelaだと白の勝率が53%くらいから始まるので、
少し黒持ちに傾いていると判断できます。
まぁこれくらいの傾きは、全然まだまだこれからですが。
ちなみに、白がコウに当てた瞬間は、
やっぱり黒が実戦打った左下のコウ材があるから
一度はツガずにアテたほうがいいって判断なんですね。
右辺の攻防が一段落して、左下にまわった段階で
わりと黒持ちに傾きました。
この後も終盤まではシノげば黒の勝ちという展開で
黒が良さそうだったんですが、
時間に終われたのもあり、
棋譜でもふれた177手目あたりから
黒のシノギにミスがあり、
結果的に中央か左辺か
どちらかの石は助からない状態になってしまいました。
今回は終盤かなり死活がからむ展開になったので、
Leelaの読みがだいぶ怪しいのに気づきました。笑
たとえば、中央の黒を攻めているとき、
棋譜では「シチョウで白だめ」と解説した手を推してたり、
左辺の死活も白のオキが見えてなかったみたいで、
白がオキを打ってから急に白持ちになりはじめるという
華麗な手のひら返しを見せたりました。笑
(この直前までは黒が良いと見ていた)
やはり、大局観的なことには優れているけれど、
部分的な読みが怪しいんですね〜。
そのあたりを頭に留めつつ、
参考にしていきたいなと思いました。
次は
なんだかんだで、
ついに最終局までもつれこんだ棋聖戦!
張栩さんが勝った名人戦と展開が似てきましたが、
井山さんもきっとふんばりを見せてくれると思います。
最終局は、3/14(木)〜15(金)に
新潟県南魚沼市の「温泉御宿 龍言」というところで
行われるそうです。
お二人とも力を出し切ってほしいですね!
ではでは、今日はこのへんで。