第43期棋聖戦 挑戦手合第6局井山裕太棋聖 vs 山下敬吾九段

こんにちはー。くまぽろです。

なんだかタイトル戦の棋譜解説を
ひさしぶりにやりだしたら楽しくなってきたので、
この勢いで棋聖戦も書いちゃうことにしました。

第6局めからになりますが、よろしければお付き合いください〜。
 
 

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棋聖戦第6局

はい、そんなこんなで
今日もタイトル戦の棋譜を見ていきたいと思います〜。

十段戦第1局女流名人戦第1局に続き、
3/7(木)〜8(金)には神奈川県箱根町のホテル花月園にて
棋聖戦の第6局めが行われました。

井山さんは、1日空けてのタイトル戦つづき。
めっちゃ忙しいですね…
 
 
タイトル戦の記事はけっこう時間がかかるので、
これまでの棋聖戦5局については
ちょっと書くことができていませんでした。

簡単におさらいすると、
現在の棋聖タイトル保持者
五冠を保持する井山裕太(いやま ゆうた)棋聖

そして今回の挑戦者
平成四天王の一人、山下敬吾(やました けいご)九段です。
 
 
井山さんはもう誰もが認める日本の最強棋士ですが、
山下さんもタイトル獲得通算14期と
タイトル戦常連のようなトップ棋士です。

お二人とも戦い好きな棋風なので、
バッチバチの戦闘の碁にいつもなってますね。笑

ここまでは井山さんの3勝2敗なので、山下さんのカド番です。
では、第6局めの棋譜を見ていきましょ〜。
 
 

棋譜

黒:井山裕太棋聖
白:山下敬吾九段

持ち時間は8時間(2日制)。残り10分から秒読みに入ります。

棋譜には、プロ棋士の解説や
囲碁AI・Leela zeroでの検討を元にコメントをつけています。
 
 

 

 

250手をもちまして、白・山下敬吾九段の中押し勝ちとなりました。
 
 

Leelaを見ながら感想

いやー、1日目が終わった状態の盤面を見たときは
白が勝てるとは正直思えませんでしたが、
山下さんさすがですね〜。
 
 
序盤で右下の大ゲイマへツケた白の一手は
たぶんちょっと無理なしかけだったんじゃないかなと。

コウのツギになった時点で
Leela zeroでも黒持ちになりはじめました。

コウをついだとこ
※手を示す丸の中の、上の数字が勝率(%)、下が読んだパターン数です。
 
 
上の図だと次が白番なので、
水色のところに打ったとして
白の勝率が47.6%と表示されています。

もともとLeelaだと白の勝率が53%くらいから始まるので、
少し黒持ちに傾いていると判断できます。
まぁこれくらいの傾きは、全然まだまだこれからですが。
 
 
ちなみに、白がコウに当てた瞬間は、
やっぱり黒が実戦打った左下のコウ材があるから
一度はツガずにアテたほうがいいって判断なんですね。

コウになった瞬間
 
 
右辺の攻防が一段落して、左下にまわった段階で
わりと黒持ちに傾きました。

左下へ

この後も終盤まではシノげば黒の勝ちという展開で
黒が良さそうだったんですが、
時間に終われたのもあり、

棋譜でもふれた177手目あたりから
黒のシノギにミスがあり、
結果的に中央か左辺か
どちらかの石は助からない状態
になってしまいました。
 
 
今回は終盤かなり死活がからむ展開になったので、
Leelaの読みがだいぶ怪しいのに気づきました。笑

たとえば、中央の黒を攻めているとき、
棋譜では「シチョウで白だめ」と解説した手を推してたり、

今キルのは
 
 
左辺の死活も白のオキが見えてなかったみたいで、
白がオキを打ってから急に白持ちになりはじめるという
華麗な手のひら返しを見せたりました。笑

手のひらがえし
(この直前までは黒が良いと見ていた)

やはり、大局観的なことには優れているけれど、
部分的な読みが怪しいんですね〜。

そのあたりを頭に留めつつ、
参考にしていきたいなと思いました。
 
 

次は

なんだかんだで、
ついに最終局までもつれこんだ棋聖戦!

張栩さんが勝った名人戦と展開が似てきましたが、
井山さんもきっとふんばりを見せてくれると思います。

最終局は、3/14(木)〜15(金)
新潟県南魚沼市の「温泉御宿 龍言」というところで
行われるそうです。

お二人とも力を出し切ってほしいですね!
 
 
ではでは、今日はこのへんで。