こんにちはー。くまぽろです。
3/29(金)に十段戦というタイトル戦の
挑戦手合第2局が行われました。
いつもどおり棋譜に解説をつけて
紹介していきます〜。
十段戦第二局
第一局は井山さんが制し、迎えた二局目。
東京・市ヶ谷にある日本棋院の幽玄の間にて
行われました。
女流名人戦と同じく、
Youtubeでも中継されていました〜。
解説は王銘琬(おう めいえん)先生でした!
それではさっそく棋譜を見ていきましょ〜。
棋譜
黒:井山裕太十段
白:村川大介八段
持ち時間は3時間。残り10分から秒読みに入ります。
棋譜には、プロ棋士の解説や
囲碁AI・Leela zeroでの検討を元にコメントをつけています。
154手をもちまして、黒・井山裕太十段が投了し、
白・村川大介八段の中押し勝ちとなりました。
Leelaを見ながら感想
なんだか最後ちょっと見損じがあったのか、
けっこうあっけなく終わってしまった感じでしたね(ノд・。)
中央上部での戦いが難しく、
そのときは黒もやれるのかと思ったのですが、
終わってみれば終始白がペースを握っていたのかなと。
今回も囲碁AIのLeela Zeroを見ながら、
振り返っていきたいと思います〜。
まずは左下の攻防。
※丸の中の上の数字がその手を打ったときの勝率(%)、
下がその手で読んだパターン数です。
黒Aに打ったあたりから
三々に入るつもりで打っていると思うのですが、
そこから徐々に白持ちに傾き、
左辺のハサミにまわるところで白63に。
ただ、実戦で白が黒2子の頭にツケたところでは
Leelaは他の手を推してます。
白が外をトンだ(水色)として、
黒が黄緑のとこにハネてきたら
隅の白からコスんでおくのが
たしかにわかりやすくて良さそうですね。
このあたりから左上を決めていくうちに
勝率は五分に戻っていきました。
そして、この対局の分岐点と思われる
黒のツケコシの場面。
Leelaの推しは、
左上や中央の白の薄みを見た手になっていますね。
実戦ツケコシて白に傾き、
白の両ノゾキのあとも、
「いや、こっちをつないで!!」
と言ってますね〜。
でも人間的にはツケコシ打ったからには、
実戦のように黒枠の丸のほうをツガないと
何やってるかわからなくなっちゃう…。
ここを貫かれて、
黒大ゲイマしたところで白84%。
これはわたしの目にもさすがに白良しに見えます。
そこから中央上部で
また一手一手むずかしい戦いになりますが、
下図の局面までほぼ評価値変わらず。
ここをオサエて黒が切ったところから
少しずつ黒に逆転のチャンスが訪れました。
ここで実戦白は、黒の切った石をカカエましたが、
Leelaは上のツギ推し。
左の想定図を見ると、
5のワリコミが成立して中央の黒が取れ、
左下は黒白生き生きになり、これで白が良いとのこと。
またここでも白枠丸のマガリではなく、
水色のとこのヌキ推し。
想定図見ると、
左の白6子は取られつつも中央の黒のタネ石3子が取れて
白左右の大石がつながる読み。
うーん、そうなるの?難しすぎてわかりません。笑
そして、一番びっくりしたのがこの直後。
この場面で白51%となっているので
黒が五分まで戻したのかと見ていたら、
次に白が切り(白枠丸のとこ)を打った瞬間に
「!?!?
そんな良い手が!?!?」
と言わんばかりに、黒の勝率を下げ、
盛り返す手を探して盤面全体を読み始めました。
「白が打って、それが悪い手で一気に黒に傾く」
というのはあっても
「白が打って、Leelaにその手がまったく見えてなくて
一気に白に傾く」
というのはあまり見ないので驚きました。
もう少したくさん回数を読ませれば見えたのかな?
結局ここからまた白持ちになりました。
最後に黒が左下に着手しはじめたところでも
白6割強なので
まだヨセ勝負になるのかなと思ってたんですが、
おそらく井山さんに
何か勘違いがあったんだと思われます。
そこはかなり残念でしたね〜。
しかし、今回は
村川さんが今までの鬱憤を晴らすように(?)
見事な勝利でした!
1勝おめでとうございます〜!!
次は
これで1勝1敗のタイに戻しました。
次の十段戦第3局は、4/11(木)に
長野県大町市の「くろよんロイヤルホテル」というところで行われます。
ではでは、今日はこのへんで〜。