こんにちはー。くまぽろです。
初級者さんの棋譜検討、第2回目です。
前回と同じ棋譜で、もう1つ重要な考え方を解説します。
どちらの辺により価値がある?
前回の検討に引き続き、
初級者のやまゆうさん(白番)の棋譜を見ていきたいと思います。
序盤の流れをまた確認していきますが、
今回は「辺の価値」に着目してみましょ〜。
はい、まずは12手目までです。
星に対して三々に入られたときは、
入ってきた黒石の居場所を狭くするように
AまたはBとオサエる二択ですね。
このとき、どちらからオサエるかはとても大事な判断です。
基本的には、大事にしたいと思う方向をオサえ、
黒を反対側に追いやるように打ちます。
なので、いまは左下で白は左辺を大事にしたので
それを引き継いで左上でも左辺を大事にするのが良いですね。
実戦でもそのように打てていました。
(最近はAIの影響で三々入りが大流行して、
定石も変化しているので
オサエる方向は一概に言えない傾向があるにはあります。
が、そういう難しい話は置いておきます)
オサエの方向
では、続きへいきましょう。
右上のオサエの方向は
実戦のように上辺側からではなく、
右辺側からオサエるほうがよかったと思います。
なぜなら、上辺と右辺を比べると
右辺の価値のほうが高いからです。
まず、単純に辺の広さを比べてみましょう。
上辺は左上から少し石がノビてきていますが、
右辺は右下の星に黒がポツンといるだけ。
空いているところの広さは、右辺のほうが広いですね。
さらに上辺のほうは、
左上から石の切っ先がノビてきています。
Aのところに黒からハネられる手が残っているので
この場合ちょっと完全な切っ先かというと
微妙といえば微妙なのですが、
例えば定石どおりに打って
このようになっている場合などは
完全に黒と白の石がスッとノビてきてますよね。
こういう形だと、上辺はこれ以上
黒白どちらにとっても
大きく発展することが見込めないエリアになっています。
仮に右辺側をオサエて、基本定石どおりに打った場合、
このような盤面になります。
右上も左上も黒地にはなりましたが、そんなに大きくありません。
もともとあまり発展しない上辺側のほうに
黒を追いやったので、
白としてはこのワカレは満足です。
左上、左下の厚みは不完全ではあるものの、
右辺と左辺、そして中央を大事に打っていく碁になります。
カカリの方向
では、実戦に戻って続きを見ていきます。
先ほどの辺の価値の考え方を、ここでも当てはめてみましょう。
右下にカカッたシーンです。
この場合、広さでは右辺より下辺のほうが少し広いですね。
ただ、発展性という面ではどうでしょうか?
左下は左上とまったく同じで、石の切っ先がノビてきています。
対して、右辺は黒の石が盛り上がっている最中で、
黒にとって発展性のある辺です。
右辺がまるまる黒地になってしまうと困るので、
それを阻止するために右辺側からカカるほうが価値が高そうです。
完全に黒の勢力圏になってしまうと踏み込むのは危険ですが、
まだギリギリ行けそうです。
仮に、右辺からカカッて黒がハサんできたとしたら、
わたしならAとツケて
「早く右下でオサマろう」と考えて打ちます。
Bとトブのも考えられなくはないですが、
Cのところに黒からマガられると
右上を受けなければいけなくなるので、
「ちょっと中央に出ていくと
周りの白石に迷惑がかかっちゃいそうだな」
と思い、打ちにくいかなと。
また、実戦の黒の打ち方のように
コスミツケられたらこんな感じの図になりますね。
これはこれで、少し狭くても右辺にヒラかせてくれて
ハサまれた図よりは楽かなと。
また、この場合は中央に楽に出られるように
高いカカリもありそうです。
まとめ
- どちらの辺が価値が高いか意識して、カカリやオサエの方向を考えよう
- 広さと発展性に注目
- 石の切っ先がノビてきている辺は価値が小さい
以下の記事でも、
辺の価値の考え方について詳しく書いているので
よかったら合わせて見てくださいね〜。
こんにちはー。くまぽろです。 有段までの道のり、第22話です。 最近、序中盤の考え方について書いていて ふと気づきました。 「序盤で状況によって、 どの辺の価値が高いかが変わるっていう話を […]
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